2017/12/05
「怖い絵」展
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ヘンリー・フューズリ 《オイディプスの死》
作者不詳(ドイツ派) 《ディアナとエンデュミオン》
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アンリ=ピエール・ピクー 《ステュクス川(エスキス)》
ピエール・クラーク(父) 《オルフェウスとエウリュディケ》
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オディロン・ルドン 《オルフェウスの死》
ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス 《オデュッセウスに杯を差し出すキルケー》
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ハーバート・ジェイムズ・ドレイパー 《オデュッセウスとセイレーン》
ギュスターヴ=アドルフ・モッサ 《飽食のセイレーン》
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ベンジャミン・ウエスト 《サウルとエンドルの魔女》
ジャン・ラウー 《ソロモンの判決》
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フランソワ=グザヴィエ・ファーブル 《スザンナと長老たち》
ジョージ・フレデリック・ワッツ 黙示録の四騎士 《黒い馬の騎士》
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ジョージ・フレデリック・ワッツ 黙示録の四騎士 《青白い馬の騎士》
ヘンリー・フューズリ 《ミズガルズの大蛇を殴ろうとするトール》
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ヘンリー・フューズリ 《夢魔》
アンリ・ファンタン=ラトゥル 《ヘレネ―》
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アンリ・ファンタン=ラトゥール 《聖アントニウスの誘惑》
作者不詳(オランダ派) 《聖アントニウスの誘惑》
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ウィリアム・エッティ 《ふしだらな酔っ払いの乱痴気騒ぎに割り込む破壊の天使と悪魔》
ポール=マルク=ジョゼフ・シュナヴァール 《ダンテの地獄》
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ギュスターヴ・ドレ ダンテ『神曲 地獄篇』第34歌《ルシファー、地獄の王》
ジェームズ・アンソール 《ホップフロッグの復讐》
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オーブリー・ビアズリー オーブリー・ビアズリーによる『サロメ』の為の挿絵(ポートフォリオ) 《踊り手の褒美》
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ギュスターヴ=アドルフ・モッサ 《彼女》
ジョセフ・ライト 《老人と死》
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ロドルフ・ブレスダン 《母親と死神 》
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エドヴァルド・ムンク 《死と乙女》
エドヴァルド・ムンク 《マドンナ》
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フランシスコ・ホセ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテス 妄(ロス・ディスパラテス) (2)《恐怖の妄》
フランシスコ・ホセ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテス 妄(ロス・ディスパラテス) (4)《大馬鹿者》
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オディロン・ルドン エドガー・ポーに(1)《 眼は奇妙な奇妙な気球のように無限に向かう》
オディロン・ルドン エドガー・ポーに (3)《 仮面は弔いの鐘を鳴らす》
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マックス・クリンガー 手袋 (2)《行為》
マックス・クリンガー 手袋 (3)《願望》
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マックス・クリンガー 手袋 (9)《誘拐》
マックス・クリンガー 手袋 (10)《キューピッド》
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チャールズ・シムズ 《ワインをたらふく飲む僕と君にこれらが何だというのだ》
チャールズ・シムズ 《そして妖精たちは服を持って逃げた》
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チャールズ・シムズ 《小さな牧神》
チャールズ・シムズ 《クリオと子どもたち》
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ウィリアム・ホガース 娼婦一代記 (1)《ロンドンに到着したモル》
ウィリアム・ホガース 娼婦一代記 (2)《裕福なユダヤ人の妾となったモル》
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ウィリアム・ホガース 娼婦一代記 (3)《逮捕の朝》
ウィリアム・ホガース 娼婦一代記 (4)《感化院にて》
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ウィリアム・ホガース 娼婦一代記 (5)《臨終を迎える》
ウィリアム・ホガース 娼婦一代記 (6)《モルの葬式》
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ウィリアム・ホガース ビール街とジン横丁《ビール街》
ウィリアム・ホガース ビール街とジン横丁《ジン横丁》
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フランシスコ・ホセ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテス 戦争の惨禍 (18)《埋葬して口をつぐむ》
フランシスコ・ホセ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテス 戦争の惨禍 (39)《立派なお手柄!死人を相手に!》
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ジョージ・フレデリック・ワッツ 《発見された溺死者》
二コラ=フランソワ=オクターヴ・タサエール 《不幸な家族(自殺)》
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ポール・セザンヌ 《殺人》
ウィリアム・リンゼイ・ウィンダス 《無法者》
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ウォルター・リチャード・シッカート 《切り裂きジャックの寝室》
作者不詳(フランドル派) 《不釣り合いなカップル》
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ジョン・バイアム・リストン・ショー 《人生はこうしたもの》
クロード=ジョセフ・ヴェルネ 《嵐の海》
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ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー 《ドルバダーン城》
ジョン・マーティン 《ベルシャザールの饗宴》
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フレデリック=アンリ・ショパン 《ポンペイ最後の日》
ギュスターヴ・モロー 《ソドムの天使》
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ギュスターヴ・モロー 《トロイアの城壁に立つヘレネ―》
フォード・マドックス・ブラウン 《ユングフラウのマンフレッド》
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ジョージ・スタッブス 《ライオンに怯える馬》
フィリップ・ライナグル 《ハイエナと争う鷲と禿鷹》
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エドヴァルド・ムンク 《森へ》
二コラ=アンドレ・モンシオ 《アギスの死》
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ゲルマン・フォン・ボーン 《クレオパトラの死》
ジャック=ルイ・ダヴィッド 《セネカの死(エスキス)》
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ジャン=ポール・ローランス 《フォルモススの審判》
ジャン=ポール・ローランス 《ボルジアの犠牲者》
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フィリップ・ハモジェニーズ・コールドロン 《何処へ?》
ポール・ドラローシュ 《レディ・ジェーン・グレイの処刑》
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フレデリック・グッドール 《チャールズ1世の幸福だった日々》
作者不詳(フランス派) 《マリー=アントワネットの肖像》
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オラース・ヴェルネ 《死せるナポレオン》
ジャック=エドゥアール・ジャビオ 《メデューズ号の筏(テオドール・ジェリコー作品の模写)》
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ヘンリー・フューズリ《オイディプスの死》はギリシャ神話が題材だ。父親を殺し、母親との間に子供を儲けたオイディプスがその真実を知り2人の娘とともに放浪して死んでいくという話のようだ。この悲劇は元々神からの啓示だったところがドロドロしい。この神話ではオイディプスが「朝は4つ足、昼は二本足、夜は三つ足で歩くものは?」というスフィンクスの謎を解く話も描かれている。
ピエール・クラーク(父) 《オルフェウスとエウリュディケ》はギリシャ神話でオルフェウスと結婚したエウリュディケが毒蛇に噛まれて死んでしまう。オルフェウスは神に頼み込み後ろを振り返ってはならないという条件で冥界からエウリュディケを引き連れて帰ることを許された。しかし冥界の出口で後ろからついてくるエウリュディケが気になり振り返ってしまう。結果、エウリュディケは冥界へ引き戻されてしまった。本作はその場面を劇的に表現したものとなっている。
ウォルター・リチャード・シッカート《切り裂きジャックの寝室》は画家自身が犯人ではないかとの説で知られている。2019年3月にDNA解析により犯人がポーランド人理髪師アーロン・コスミンスキー(23歳)と判明したとのニュースがあり生々しい。
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ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス《オデュッセウスに杯を差し出すキルケー》はホメロスの叙事詩 オデュッセウスの場面が題材となっている。トロイア戦争からの帰りにアイアイエ島にてオデュッセウスが魔女キルケから毒入りの酒を差し出されるところだ。左下の豚はキルケの魔法により豚に変えられたオデュッセウスの部下だ。キルケが左手に抱えているのは魔法の杖。背後の鏡には剣を抜こうとしているオデュッセウスが描かれている。オデュッセウスはヘルメス神から授かった薬草のおかげで魔法にはかからず、キルケに襲い掛かり部下にかけられた魔法をといたそうだ。
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作者不詳(ドイツ派)《ディアナとエンデュミオン》はギリシャ神話が題材になっている。眠っているエンデュミオンに恋した月の女神ディアナが神ゼウスにエンデュミオンを不老不死にするようにお願いをする。ゼウスはそれを聞き入れ、エンデュミオンは不老不死と引き換えに永遠の眠りについた。夜ごとディアナはエンデュミオンに会いにきたという話。幻想的な主題で作品の雰囲気も神秘的だ。
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ハーバート・ジェイムズ・ドレイパー《オデュッセウスとセイレーン》とギュスターヴ=アドルフ・モッサ《飽食のセイレーン》はギリシャ神話の怪物セイレーンがテーマとなっている。セイレーンは上半身が女性で下半身が鳥や魚で美声で船乗りを惹きつけ食い殺すとされる。オデュッセウスはマストに自ら縛られことで難を乗り切ったそうだ。《オデュッセウスとセイレーン》は人魚の方で惑わすという感じがする一方、《飽食のセイレーン》の方は鳥の姿だが無機的で冷徹な表現が直接的な恐怖を感じさせる。
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チャールズ・シムズ《そして妖精たちは服を持って逃げた》、チャールズ・シムズ《小さな牧神》は印象派を思わせる陽光たっぷりの明るい画面ながら、さりげなく妖精や牧神(獣人)が描かれている。
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ポール・ドラローシュ《レディ・ジェーン・グレイの処刑》は本展覧会を監修している先生の著書で紹介されていたので記憶している。ジェーン・グレイはイングランド史上初の女王として即位したのち9日で廃位され、さらに大逆材で処刑されたそうだ。実物は大きいが写実的なのが印象的だった。まず衣装の襞の表現がすばらしい。腕のつややかでキメの細かい肌であろうことが分かる表現が高貴さを物語っているようであった。
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一方で状況はまさにこれから斬首されるという極限状態ながらだが取り乱した様子はなく運命的な非情さがいっそう感じられる。
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